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ふうせんかずら

  • 執筆者の写真: 英 樽
    英 樽
  • 2020年11月15日
  • 読了時間: 2分

ちょっと昔の話になります。


この話は私が自分で会社をやってみたいと思ったきっかけのひとつです。


起業する前に勤めていた会社で、初めてデイサービスを担当していた時のこと。当時は営業成績にしか目がいかず、日々、ツールを作っては居宅巡りで新規の依頼をとるのが使命と思っていました。もちろん現場にも出て、ご利用者の話し相手になったり、朝夕の送迎を手伝ったり。

同じ毎日に疲れが出始め、仕事に身が入らなくなってきた頃、よく声をかけてくれる女性のご利用者様から「主任さん、これプレゼント」とティッシュにくるんだ物を渡されました。ティッシュを開くと、コロンコロンと黒いもの3つ。よく見ると白いハート模様の入った可愛い種でした。

「ふうせんかずら、うちでとれたから」とケロケロ笑って席につかれました。


それから1週間後、そのご利用者は亡くなりました。


その後、配置換えもありそのデイサービスは後輩に引き継ぎ、2年ほど経って、応援要員で久々に訪れてみると、たった2年ですがかなりの方が見えなくなっています。そういう場所なんだなあと思いふけりながらお昼の休憩時にそとの駐車場に煙草を吸いに行くと。。。


駐車場のフェンスにツルを絡ませてさわさわと風に揺れるふせんかずら群生状態!!

あのときもらった種を、何の気なしにポイした場所です。


タバコをふかしながら、なんだか泣けてきて、種をもらった時のその方の言葉を思い出しました。


「ふうせんかずらの花言葉はね、『あなたとともに』。」

「主任さん、私たちを覚えていてね。もうすぐお迎えだから、ここは楽しくてつい長生きしたくなるけどね」


Hさん!! 覚えてるよ!!。俺なんだか会社やめちゃって、会社起こしちゃって、勢いで頑張ってるわー(笑)





 
 
 

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